歯科医院のコンサルティングで、
比較的多くの先生方から
ご相談いただくお悩みに
「小さなむし歯でも積極的に
治療をしたほうが良いのか?」
「治療をしたほうが良いか
迷ったときには、つい『様子見』と
伝えてしまうことが多くて…」
こんな風に、患者さんに対して
【積極的に治療を勧めるべきなのか?】
というものがあります。
この問題、治療を勧めるのと
様子見を勧めるのと、
どちらが得策なのでしょうか?
◆ 売上につながるのは?
私にご相談いただいている以上、
それが医院の売上にどう関わるかも
お悩みのひとつでしょう。
率直に言えば、何もしないよりも
積極的に治療をしたほうが売上は
増えます。
だって、何らかの医療行為をしないと
保険点数の算定はできませんから…
実際に、しっかり売上を上げる先生は、
どんなに小さなむし歯であっても、
積極的に手を加えていきます。
実は、ここがポイントです。
積極的に治療をしているわけではなく、
積極的に【手を加えていくこと】が
売上UPにつながっているということ。
この【手を加えていく】というのが
どのようなことなのか、これから少し
解説したいと思います。
適切な表現が見つからないので
【手を加える】という表現をしましたが、
「たとえ小さなむし歯であっても、
きちんと患者さんに対するアプローチを
積極的に行っていくこと」
を指しています。
具体的には、次のようなステップで
患者さんにアプローチをします。
◆ STEP1)自覚させる
まずは、「小さなむし歯がありますよ!」
ということを患者さんにきちんと
自覚してもらうことがスタートです。
先生もよくご存じのように、
初期のむし歯というのは自覚症状が
ほとんどありません。
なので、ほとんどのケースで
患者さんはむし歯に対して
無自覚です。
だから、まずはむし歯の存在を
きちんと示すことがスタートです。
この【無自覚】というのが、
ひとつのキーワードです。
大きな自覚症状がないだけに、
「むし歯がありますよ」と
口頭で説明されたとしても、
患者さんはピンとこないのです。
そこで、患者さんに自覚させるのが
上手な先生というのは【画像】を
使います。
口腔内カメラなどで写真を撮って、
「ここが黒くなっているでしょ?
小さなむし歯だよ」と説明します。
目で見て分かることのほうが
患者さんも自覚しやすいわけです。
◆ STEP2)治しますか?
むし歯の存在が患者さんの目にも
明らかになったところで、
「このむし歯ですが、治すか
様子を見るか相談しましょう」
という話し合いをします。
明らかに治したほうが良い状態なら、
あなたも迷う必要はないと思います。
あなたもお悩みになるのは、
「治しても良いし、様子を見ても良いし、
判断に迷うむし歯だから」でしょう。
治すという選択をすれば、
むし歯が大きくなるリスクが減る一方で
歯を削ることがデメリットでしょう。
様子を見るという選択をすれば、
歯を削らなくても良いものの
むし歯が悪化するリスクを負います。
では、どちらのメリットを選択して、
どちらのデメリットに目をつぶるか、
それは誰が決めることでしょうか?
そうです!
実は【患者さんが決めること】なのです。
ですから、先生は「治しますか?
それとも、様子を見ますか?」と
きちんと聞いてあげれば良いのです。
そうすれば、患者さんが自分で考え、
自分の価値観に基づいて、選択します。
◆ STEP3)売上につなげる
しっかり売上を上げる先生というのは、
その先のSTEPが違います。
売上につながるようなアプローチを
確実に行っていきます。
治療をすることになったとしたら、
「小さいうちに見つかって良かったね。
【健診に来ていたから】初期のうちに
治療ができて楽なんだよ。」
と【小さいうちに見つかったメリット】を
患者さんにきちんと伝えていきます。
もし様子を見ることになったら、
「大きくなってしまうといけないから、
【しっかり健診に来て】このレベルで
留められるかきちんと経過を見ようね!」
と【小さくとどめていくための道筋】を
患者さんにきちんと伝えています。
そして、いずれの選択をするにしても、
次回のリコールの予約をその日のうちに
取得してしまいます。
いかがでしょうか?
これ、治療と様子見のいずれの選択でも、
『やっぱり定期健診が大事ですよ!
次も予約してね!』としっかり伝えています。
治療をしたから売上につながる。
様子見だと売上につながらない。
目先のことだけ見るとそう考えがちですが、
【リコールへの導入】と考えれば、
いずれの選択をしても売上につながります。
◆ 積極的な様子見を
「できるだけ歯を削りたくない」と考える
患者さんも増えてきていると思います。
だからこそ、【積極的な様子見】を
どれだけ増やしていくことができるかで
売上が大きく変わってきます。
患者さんは、先生から「様子を見ましょう」
と言われたら、「痛くならなければ
このままで大丈夫」と考えています。
でも、あなたは「定期健診をしながら、
今後の経過を観察していくこと」を
【様子見】と言っているのでは?
このあなたと患者さんのギャップ、
つまりプロと素人のギャップは
想像以上に大きいものです。
患者さんの頭の中には、
【様子見=定期健診】という思考は
全く存在していません。
「様子を見るというのは、
定期健診で経過を観察していく
ということなんですよ!
だから、3ケ月後の定期健診を
きちんと予約していってくださいね!」
このように定期健診の予約をとることで、
患者さんに【積極的な様子見】が必要と教え
リコール予約を取得してください。