売上を増やすための課題のひとつに
「新患を増やすこと」が挙げられます。

一方で、歯科医院は医療広告の規制を
受ける業種ですから、他業種のように
ガンガン広告を打つわけにはいきません。

今までは規制が緩かったホームページも
2018年の改定により、以前よりも
大きな制限を受けることになりました。

ということは、今まで以上に
『紹介』や『口コミ』による集患は
重要性を増してきています。

この紹介による新患の獲得について、
実は「すぐに紹介獲得が期待できるのに」
多くの先生方があまり重要視していない
部分があります…

◆ 家族マーケティング

先に結論から言いますと、
「患者さんの家族へのアプローチ」を
積極的に行うことです。

『紹介』という言葉のイメージなのか、
患者さんのお友だちや職場の同僚を
紹介してもらうという風に考えている
先生方が圧倒的に多いものです。

でも、患者さんの最も身近にいる人、
そして最も影響力が及ぶ対象というのは
誰でしょうか?

それは、知人や同僚ではありません。

実は『患者さんの家族』です。

特に、奥様が患者さんの場合には、
絶大な影響力を及ぼします。

ご主人に「歯医者に行きなさい!」
お子さんに「歯医者さんに行くよ!」

ある種の強権発動のような方法で
歯科医院に連れてきてくれるのって、
旦那さんよりも奥さんではありませんか?

家族であれば、「歯が痛い…」という
言葉を聞きやすい存在でもあります。

にもかかわらず、家族マーケティングに
意識的に取り組んでいる先生というのは
とても少ないものです。

実際に、私がコンサルティングの場面で
即効性が期待できる取り組みとして
家族マーケティングはすぐに実行します。

そして、業績が伸びる歯科医院ほど、
『家族全員が来院している状態』を
上手に作っていくものです。

◆ 歯科医院だけではなくて…

この『家族丸ごと抱え込む』という
考え方は、歯科医院に限らず
『BtoCビジネス』(対個人ビジネス)の
最も有効な集客法でもあります。

元々は生命保険会社の直販社員で
保険屋さんとしてのビジネスが
メインだった私。

この身内マーケティングの重要性、
実は保険屋さんの時に気づきました。

保険屋さんも、基本的には
個人のお客様がメインの仕事です。

保険屋さんで長く生き残っている
いわゆる「保険屋のおばちゃん」は、
この『家族丸抱え』が上手なんです。

ある時にそのことに気づいて、
お客様の商談では必ず「ご家族の保険も
一緒に確認しながら考えたほうが
良いですよ」と提案していました。

なぜなら、保険料(保険の掛金)は、
一家の家計から捻出することが
ほとんどだからです。

また、私自身が人脈ほぼゼロから
スタートした保険営業でしたので、
『家族丸抱え』が生き残る術でした。

目の前のお客様と見れば、たった1人の
お客様かも知れません。

でも、そのお客様の配偶者・ご両親・
ご兄弟まで視野を広げていけば、
だいたい4人のお客様候補が
存在していますので…

実は、保険の営業も自由に広告を
打つことができない業種です。

金融商品も金融庁に広告規制を受ける
業種なので、この部分では、先生方と
同じような境遇にあります。

広告が規制される業種ほど、家族や
身内につながっていくマーケティングが
即効性もあり、強力な手段となります。

だって、身内の推薦というのは
どう考えても広告にはなりませんので…

話が逸れてしまいましたが、
車にしても、住宅にしても、
個人で何かサービスを探す場合には
家族に「相談できる良い人いない?」
なんて聞くことは多々あります。

家族はそれだけ信頼できる存在ですし、
影響力もある存在です。

あなたは、家族へのマーケティング活動を
積極的に行っていますか?

◆ 何をしたらいいの?

もし、家族へのマーケティング活動が
何をしたら良いのか分からない場合には、
こんな風に考えてみてください。

「どうすれば、来院していない家族に
あなたの医院の存在を知らせることが
できるだろうか?」

そう考えてみると、いろいろなアイディアが
浮かんできませんか?

私が強くお勧めしたい方法は、
【紙媒体】の活用です。

紙媒体の良いところは、飛び道具的に
活用できることです。

つまり、見せたい人に見せられる可能性が
飛躍的に高まるツールだということ。

例えば、医院新聞(ニュースレター)の
発行を考えてみましょう。

来院した患者さんに渡した医院新聞、
患者さんは自宅に持ち帰りますよね?

家に帰って、何気なく食卓テーブルに
医院新聞を置いてくれたら…

確実に家族の目に触れませんか?

サンキューレターを送ってあげたら、
ポストに取りに行った家族の誰かが
ハガキを目にしませんか?

紹介カードを渡してあげたら、
何かの機会に家族の目に触れる可能性が
高まりませんか?

紙媒体を渡すことによって、
【家族の目に触れるチャンス】が
大きく膨らみます。

直接的に「ご家族もご一緒にどうぞ」と
患者さんに言うことができるのであれば、
それがベストな方法でしょう。

でも、そういう営業的な言葉がけを
苦手にしている先生方が圧倒的に
多いわけです。

そうであるならば、自分の精神的な
負担も下げてアプローチできる方法を
考えてみるのもひとつです。

紙媒体なら【渡すだけ】で
アプローチができます。

もし紹介で新患を増やしたいなら、
【患者さんの一番身近にいる人】に対して
もっと積極的なアプローチをしてみては
いかがでしょうか?

特に、仕事帰りのサラリーマンが
自宅の最寄駅からの帰り道で来院する
比率が高い歯科医院さんでは、
とても有効なアプローチになりますよ。