患者さん向けのキャンセル予防策に、
予約日の前日に予約日時をメールで
お知らせするなど「予約確認連絡」
という方法が効果的です。

「予約確認メール配信」など、
インターネットを介したサービスを使えば、
手間を最小限に、費用も安く導入できます。

スマホを持っている方も増えましたし、
ガラケーでもEメールは届きますので、
ネット環境が整っている現代では
このようなサービスは有効活用したいもの。

ところが、最近はメールを使う人が
少なくなってきたとも言われています。

LINEやFacebookなどのSNSが
コミュニケーションツールの主流になり、
メールは時代遅れだという考え方です。

もしこのような考えに従うのであれば、
LINEに対応した予約確認配信サービスを
導入しないと、キャンセル予防策としての
効果が得られないことになります。

果たして、本当にメールは
時代遅れのツールなのでしょうか?

◆メールがなければ…

結論から言いますと、
私はこの「メールは時代遅れ論」には
反対の考え方をしています。

つまり、「まだまだメールは使えるツール」
というのが、私の考え方。

なぜなら、すべてのサービスの起点は
メールだからです。

LINEを使う場合であっても、
アカウント登録にはメールを
使います。

FacebookもTwitterも、
アカウント作成には
メールアドレスが必要。

SNSが流行しているとは言え、
それぞれのアカウント作成のためには
メールアドレスが必要です。

あるいは、ネットでのお買い物。

この時代、老いも若きも問わず、
インターネットショッピングを
する方がほとんどです。

ネットショッピングの際には、
連絡先用のメールアドレスを
入力する必要があります。

やっぱり、ここでもメールアドレスは
使われています。

LINEやFacebookなど
スマホのアプリをダウンロードするにも
メールアドレスが必要。

こう考えてみれば、やっぱり
メールアドレスは使われています。

あらゆるネットサービスの起点が
メールである以上、メールは時代遅れ
とは言い難いはずなのです。

◆メールはしない

一方で、SNSが普及したので、
「メールはしない」という方が
多くなったのは事実でしょう。

ただ、この「メールはしない」の意味を
よく考えてみる必要があります

メールはしないというのは、あくまでも
「主なコミュニケーションツールは
メールではなくてSNSになった」
ということに過ぎません。

昔はメールを使っていたものが、
今はLINEやFacebookメッセージなどを
使ってコミュニケーションすることが
増えているというだけです。

だから、「メールでコミュニケーションは
昔ほどしなくなった」という考え方が
正確な捉え方でしょう。

では、「メールを見ないのか?」と言えば
どうなのでしょう?

これは、話が少し変わるはず。

つまり、友人にメールを送信することは
減っているけど、届いたメールを見ることは
まだまだ多いのではないでしょうか?

例えば、メールマガジン。

登録しているメールマガジンを読んだり、
過去にネットでお買い物をしたショップの
メールマガジンを読んだりと、
届いたメールを読む人は多いと思います。

あるいは、スマホの通知機能があるから、
とりあえず届いたメールのタイトルだけは
見ているという人も多いことでしょう。

このように考えてみれば、
予約確認メールを配信するだけのものなら
見られる確率は高いということ。

特に、メールのタイトルに
「〇〇歯科より明日のご予約について」と
書かれていれば、それだけで用件が
分かります。

返信を求めるようなものだと
メールよりもSNSのほうが
使われているかもしれません。

でも、内容を確認するだけのもの物なら、
メールはまだまだ活用できるはずです。

◆できない理由を考えるよりも…

私のクライアントの歯科医院でも、
このメール登録を促すアプローチに
否定的なスタッフは多いものです。

やはり、「私はメール使わないんで」
「今時メールしている人は少ないんで」
という意見を言われることがほとんど。

でも、日常生活のことを考えたら、
まだまだメールを使う場面は
たくさんあります。

ネットショッピングがLINEのIDで
完結できるというショップは、
まだまだ少数派でしょう。

メールは使わないという意見を言う
スタッフにも、ネットショッピングを
している人のほうが多いはず。

ということは、本当に
全く使っていないというわけでは
ありません。

むしろ、メールを全く使わずに
ネットツールを活用するほうが
困難だとさえ言えるでしょう。

ここまでお話してきたようなことを
理論的に考えてみれば、メールが
全く使われていないはずがありません。

なんだかんだと理由をつけて
メールアドレスの取得に後ろ向きな
スタッフというのは、おそらく
「登録を拒否されるイメージ」を
前提に物事を考えているだけです。

「予約確認をメールで送っているので」
と患者さんにお伝えした時のことを
想像してみてください。

もし、最初から断られるイメージを
持っている人が登録をお勧めするとしたら、
どんな言葉になるでしょうか?

「〇〇さんは、メールって使いますか?」と
患者さんに聞くのではないでしょうか。

もしそのように聞かれたとしたら、
患者さんはどう答えるでしょう?

きっと、「ほとんどしませんよ。
LINEがメインですよね。」と
答えることでしょう。

こうなれば、スタッフの回答は
「そうですよね…」で終わりです。

そして、スタッフは
「やっぱりメールは時代遅れだよね」と
自分の考えが正しいと思い込みます。

こうなってしまったら、
予約確認メールの登録をお勧めするのは
とっても難しいのは当然です。

一方で、ポジティブなイメージの人は、
どうするでしょうか?

「歯医者の予約って、つい忘れてしまう
代表的な存在じゃないですか?」なんて、
ちょっとした問題提起をしますよね。

患者さんのほうも、「確かにそうだよね」
なんて話になれば、もう簡単です。

「予約日の前日にメール配信する
サービスを行っているのですが、
ご登録をお願いできますか?」

これで、ほとんどの患者さんは
登録してくれるはずです。

予約確認メール配信のメリットを
しっかり伝えれば、患者さんは
メール登録をしてくれるのです。

つまり、メールというツールが
問題なのではありません。

メール配信サービスに登録してもらう
ということに対してポジティブな
イメージを持てているかどうかが
本質的な問題なのです。

ポジティブなイメージがあれば、
「患者さんのメリット」として
提案することができるはずなので。

◆メール登録を促してみよう!

あなたの歯科医院でも
予約確認メール配信サービスを
実施しているのであれば、
ぜひ積極的に登録を促してください。

実際に、私のクライアントの歯科医院では、
意外と順調にメールアドレスの登録を
してもらえています。

うまくいっている歯科医院もあるのだから、
メールが時代遅れのツールではないことを
私は自信を持ってお伝えします。

だからと言って、100%の患者さんが
登録してくれるわけではないことも
付け加えておきます。

「2:8の法則」と言われるように、
どうやっても登録してくれない人は
20%程度存在しているわけです。

だから、100%完璧を求めないこと。

大切なことは、スタッフに対して
予約確認メール配信サービスに対する
ポジティブなイメージを持たせることです。

予約確認メールを配信することで、
患者さんにどのようなメリットが
あるのか?

患者さんにメリットのあることなら、
それを患者さんにお勧めしないことは
罪なこととさえ言えるわけですから…

上司と部下の関係である以上、
院長の指示通りにやらないスタッフを
責めることが筋なのかもしれません。

でも、「できない」と言っているのに、
「いいからやれ!」と応えてみても
永久にできない状態は変わりません。

それよりも、

スタッフが「できない」と考えてしまう
理由は何なのか?

をきちんと考えて、できない理由を
ひとつひとつ解消していくこと
手間と時間をかけたほうが生産的です。

スタッフが「できない」と言う理由

そこにしっかり目を向けてことで
解決の糸口が見つかる問題は、
意外と多いはずです。