「スタッフが自分の思うような動きを
してくれない…」
「明確に指示を出しているのだけど、
その通りに行動してくれない…」
「仕事はしてくれていると思うけど、
その精度や仕上がりに対して不満がある…」
コンサルティングの仕事をしていると、
スタッフに対するこんなお悩みや不満を
耳にすることが多々ありますが、
あなたはいかがでしょうか?
一方で、スタッフが能動的に働いて、
仕事にも楽しそうに前向きに取り組み、
医院の業績にも貢献してくれている
歯科医院があるのも事実です。
スタッフが協力してくれる院長と
スタッフに不満がいっぱいの院長、
同じ院長なのになぜこうも違うのか?
私はその両方を見てきて、両者には
たったひとつ大きな違いがあることが
分かってきました。
◆ 私たちはちゃんとやっています!
スタッフが院長の思うようには
動いてくれていない歯科医院に限って、
スタッフのほうは
「私たちはちゃんとやっています!」
という風に考えている傾向があります。
特にスタッフからよく出てくるのは、
「私たちはきちんとやっているつもり
なのに、先生に注意されるんです…
だけど、何がダメなのか分からなくて…」
こんな悩みや不満です。
この手の悩みや不満は、特に掃除や
事務処理などの雑務に対して聴くことが
多いものです。
例えば、朝や午後診療前の掃除の時間は、
スタッフだけで掃除をしている歯科医院。
スタッフは毎日ひと通り、決められた
掃除をしているという意識でいる。
一方で、院長先生は掃除の仕上がり
(キレイさ)に不満を持っているという
ケースがよくあります。
院長先生は、毎月の全体ミーティングで
「もっとしっかり掃除をしよう」
「気がついたところをもっとキレイに」
「手が空いたら積極的に掃除をして」
こんなことをスタッフに
言い続けることになります。
言われたスタッフのほうは、
自分なりに気づいたところを
一生懸命に掃除します。
だけど、また次の全体ミーティングで
「掃除をしっかり」と言われます。
スタッフのほうは、そのうち
「どこをどうやったらOK出るの?」と
考えるようになります。
先生は、仕事の精度に不満を持っている。
スタッフは、やるべきことをきちんと
やっていると思っている。
掃除に限らず、こういうことって
意外とたくさん起こっています。
このような院長とスタッフのギャップを
埋めるには、どうしたら良いのでしょう?
◆ 自らの行動で示していますか?
このような問題を解決したいのであれば、
【キチンとやる】【できている】という
状態を明確にすること。
そのためには、【自分の行動で示す】
【スタッフと一緒に行動する】というのが
最も単純で、最も明確な方法です。
例えば、掃除の話。
朝の掃除が不完全だと思うのであれば、
一緒に掃除をしながら、どこをどうすれば
医院の基準としてOKなのかを
きちんと教えてあげましょう。
あなたは院長なので、掃除のような雑務を
するような立場ではないのかも知れません。
もっと生産性の高い仕事にフォーカスして
収益に直結する仕事をするのが経営者です。
確かにその通りなのですが、
どうなれば正解(OK)なのかを
明確にしておかないと、
あなたのストレスは増える一方です。
「スタッフがやってくれない…」と
不満を持つ気持ちはよく分かりますが、
その不満をいつまでも持ち続けますか?
ほんの1ヶ月で構いませんから、
朝の掃除をスタッフと一緒に
やってみてください。
会話をしながら、掃除のポイントを
ひとつひとつ丁寧に教えていきましょう。
1ヶ月間毎日やっていれば、
スタッフも覚えていけますよね。
院長室にこもっていても、
その不満は解消されません。
上司は、まず自分から動くことです。
たとえスタッフが動いてくれなくても、
自分は動き続けていくことです。
その姿勢が、必ずスタッフに伝染します。
逆に、掃除のような雑務は
自分の仕事じゃないと思っていれば、
スタッフもそこをおざなりにします。
院長の行動というのは、
スタッフにもそれだけ大きな影響を
与えるものなのです。
◆ 仕事を楽しんでいますか?
【返報性の法則】というものがあります。
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、
お返しをしなければならないという感情を
抱くという心理のことを言います。
この【返報性】という心理は、
小さな貸しで大きな見返りを得るという
営業テクニックの説明によく使われますが、
この心理が働くのは物を買う時に限りません。
私がこれまでのコンサルティング経験で
ハッキリと確信していることのひとつに、
「スタッフが楽しそうに働いている医院は、
院長自身が楽しそうに仕事をしている」
「スタッフが掃除のような雑務を
きちんと丁寧にこなしている歯科医院は、
院長自身が雑務にも積極的に関わっている」
つまり、【院長の姿勢がスタッフに
伝染している】という法則があります。
「仕事は楽しむものなんだよ!」と
院長が発信し続けていれば、
スタッフも「そういうものかな…」と
思うようになります。
「患者さんを気持ち良く迎えるために、
きちんと掃除をしないとね!」と院長が
自ら掃除に加わっていれば、スタッフも
「私もやらなきゃ!」という気持ちに
なりやすいものです。
院長自身の考えや気持ちというのが、
スタッフの感情や行動の部分に
大きな影響を及ぼしているのです。
あなたの考えや気持ちを表現するのは、
言葉だけでは不十分なことも多いもの。
自らの行動で、医院のあるべき姿を
体現することが最も重要なことです。
あなたもスタッフの仕事に対する
姿勢に疑問をお持ちであれば、
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