先日、私の携帯電話が鳴りました。

基本的に限られた人しか知らない
私の携帯電話の番号。

とは言っても、知らない電話番号から
かかってくることは少なくないので、
出られる時には必ず出ています。

先日もたまたま仕事の休憩中に
携帯電話が鳴りました。

知らない番号ではあったのですが、
電話に出てみると、

「〇〇歯科ですけど…」

という声が。

「問い合わせ!?嬉しいなぁ!(^^)!」
なんて思いながら、丁寧に対応を
させていただきました。

◆ 〇〇歯科ですけど…

電話に出て、最初に困ったのは、
「〇〇歯科」と言っているのですが、
この〇〇が全然聞き取れませんでした。

なので、「恐れ入りますが、
もう一度お願いできますか?」と
お願いする私…

以下、その時のやり取りを
再現してみますと・・・

歯(〇〇歯科)
志(志賀)

——————————–

歯「〇〇歯科ですけど」

志「恐れ入りますが、
もう一度お願いできますか?」

歯「〇〇歯科です」

志「恐れ入りますが、聞き取れないので
もう一度ゆっくりお願いできますか?」

歯「〇〇歯科です。」

志「申し訳ございません。
すごく聞き取りづらくて…
どちらの歯科さんですか?」

歯「あの、〇〇歯科です。歯医者です!
明日の予約の件で電話をしたのですが…」

志「えぇ。歯医者さんなのですね。
私は予約していないのですが、
どちらにおかけですか?」

歯「いや、明日の予約がありますので、
そのことで電話したんですけど。
忘れちゃっていませんか?」

志「それはご丁寧にどうも。
でも、僕は予約していませんよ。」

歯「いえ。明日の××時にご予約が
入っています。ご都合大丈夫ですか?」

志「あの…私は志賀と申しますが。。。
どちらにおかけでしょうか?」

デ「あ!間違えました!」

(ガチャン!)

——————————–

なんじゃい!
間違い電話かーい!

思わず、1人でツッコんでしまいました(笑)

でもこの電話、なかなか参考になる要素が
たくさん詰まっていると思いませんか?

◆ 予約確認電話

まず、非常に素晴らしいなと思ったのは、
予約確認電話をかけているということ。

予約を忘れてしまってはいないか、
確認電話をかける取り組みというのは
キャンセル防止に有効な方法です。

しかも前日にかかってきたということは、
もし都合が悪くて来院できない場合には
急患枠を確保することができます。

特に、リコールで来院する患者さんは、
前回の予約から時間が空いています。

なので、治療中の患者さん以上に
予約を忘れられてしまうリスクが高く、
こうしたフォローが有効なのです。

電話の内容はさておき、
たとえ間違い電話であっても
熱心な歯医者さんだなという
印象を受けたのは確かです。

あなたの歯科医院でも、
予約確認の連絡をしていますか?

◆ 電話のマナーは…(笑)

予約連絡をする姿勢はとても良いですが、
電話のマナーとなると…

思わず苦笑いの内容ですよね(笑)

あなたは、どのあたりが
苦笑いと思う内容でしたか?

まず、医院名の名乗り方です。

さすがにこの歯科医院さんの実名は
書きませんが、電話番号で検索したところ、
かなり発音しづらい医院名でした。

なので、私の耳が悪かったわけではない
と思います。

電話をかけてきたのは女性だったので、
おそらくスタッフさんがかけているものと
推測できます。

このスタッフさんにとっては
毎日勤務している言い慣れた医院名
なのかもしれません。

でも、聞き取るこちらには
何と言っているのか分からない…

電話だと、なおさら聞き取りづらいので、
早口は特に気をつけないといけません。

また、「〇〇歯科です」は良いのですが、
できたら電話をかけているスタッフさんが
名乗ったほうが良いですよね。

「〇〇歯科の△△と申します」

これが正しい電話のマナーです。

だって、電話をかけている人は
「〇〇歯科さん」ではなく、
「〇〇歯科の△△さん」なので…

◆ 間違い電話の切り方

次に、電話の切り方でしょう。

間違い電話をしてしまったことは、
仕方のないことです。

でも、間違えてしまったら
間違えてしまったなりの切り方が
ありますよね。

「あ!間違えました!」ではなく、

「大変失礼しました。
間違えて電話をかけてしまったようです。
誠に申し訳ございませんでした。」

こんな風に切ってもらえたら、
まだ悪い印象を持たなかったかも
知れません。

まぁ、そのスタッフさんも、
忙しくて慌てていたのだと思いますが。

間違い電話の相手が見ず知らずの
私だったから良かったものの、
ご近所の方や既存の患者さんだったら…

あまり良い印象を与えませんよね。

たとえ間違えてかけてしまったとしても、
その向こうの相手はどんな人か分からないので、
切る時まで丁寧に対応するのがベストです。

◆ 時間を無駄にした理由

ツッコミどころはいろいろとありますが、
この間違い電話のやり取りを防ぐことは
できたはずです。

この間違い電話のやり取りをすること約1分。

シビアな言い方をすれば、お互いの時間を
1分ずつ無駄にしたことになります。

ただでさえ忙しい受付業務なのに、
こんなことで時間を無駄にする必要は
あったのでしょうか?

そうです。

電話の最初に
「××さんの携帯電話で
お間違いないでしょうか?」
と確認すれば良かったのです。

そのようにしてもらっていれば、
最初の時点で「違いますよ」で
済んでしまっていたわけです。

◆ 他者の経験から学ぶ

今回このお話をブログに書いたのは、
あなたの足元もしっかりと見直して欲しい
と思ったからです。

このエピソードは、きっとあなたの
歯科医院経営にも役立つだろうと思い、
あえてこのブログでシェアしました。

このエピソードを読んで、あなたにも
ぜひチェックしていただきたいポイントが
3つあります

1つは、予約確認電話を行っているか?
ということ。

電話でなくメールでも構いませんが、
何らかの形で患者さんに予約確認連絡を
行っているでしょうか?

おそらく、この歯科医院の院長先生は、
医院経営にとても熱心に取り組んでいる方
だと推測します。

なぜなら、予約確認電話を
スタッフに指示しているからです。

予約確認電話をかけるという行動は、
キャンセル対策に有効な方法ではありますが、
実行している歯科医院は少ない取り組みです。

実際に、患者さんが予約を無断キャンセルする
理由を調査すると、「予約していたのを忘れていた」
という理由が大半を占めています。

予約を忘れてしまうと、その後ろめたい気持ちから
次の予約を取りづらいと思ってしまう患者さんも
決して少なくはありません。

なので、予約確認電話を歯科医院側から
かけてあげることが、増患対策・中断防止策として
とても有効な方法のひとつなのです。

これを実行できているという点で、
とても患者さん想いの素晴らしい歯科医院医院だし、
熱心に歯科医療に取り組んでいるのだと思います。

一方で、せっかく良い行動をしていても、
電話のかけ方がこのような状態では、
患者さんの印象が悪くなるかも知れません。

その点が、本当に残念でなりません…

この部分が、もう1つの気づき。

スタッフに指示した仕事について、
あなたが理想とする状態で実施されているか?
ということ。

スタッフが取り組んでいる仕事の状態を
あたなはきちんとチェックできていますか?

そして、これは電話応対に限らず言えること
というのが3つめの気づき。

スタッフに任せてある業務について、
あなたの望むレベルで遂行されているか、
時々はチェックが必要です。

おそらく、この歯科医院の院長先生も、
予約確認電話に取り組むにあたって、
スタッフに「電話のかけ方」をきちんと
教えてからスタートしていると思います。

ただ、いつしか電話をかけることが目的になり、
「電話をかけること」はチェックしていても、
「電話のかけ方」までは見ていない状態で
今は運用されてしまっているのかも知れません。

特に、今の20代の人は、
電話を受けることも、電話をかけることも、
極端に少なくなっている世代です。

携帯電話が当たり前に普及したので、
家の電話にかける、家の電話にかかってくる
という機会がほとんどなくなっているからです。

昔は親に取り次ぐ電話を受けながら、
お友だちの家に電話をかけながら、
自然と電話のマナーを覚えました。

でも、今はそんな時代ではありません。

電話の受け方とかけ方については、
きちんと医院で教えていかなければ
ならないのです。

気になった方は、一度スタッフの
電話のかけ方を確認しておきましょう。

日々の経験から学べることって
本当にたくさんありますね。

< 今日のまとめ >

1)予約確認連絡を実行しているか?
2)スタッフの電話のかけ方は
一般的なマナーを守れているか?
3)電話以外でも、スタッフに任せている
業務が、あなたの考える理想のレベルで
実行されているか?

この3つをチェックしておきましょう!